つむりの、小説用ダンボール箱

プロローグ

　暗い部屋の真ん中で、明かりがひとつ灯っていた。

　そこには少女が一人。

　少女は木製の椅子に腰をかけ、木製の机の上に置かれた一冊の本を開いた。

　その本はいかにも古く、日焼けして茶色くなり、
　ホコリをかぶっている。

　少女は軽く叩き、その本のホコリを払ってから、
　そっと、丁寧に、読み始めるのでした―。


「かつて･･･

とある時空の狭間。

出会うはずの二体の神が出会ってしまいました。

時を司る、ディアルガ。

空間を司る、パルキア。


彼らは互いの領地を侵されたと思い、争いを始めました。

彼らの戦いは周りの世界を巻き込み･･･、

戦いが終わるころには、
無数の『世界の塵』が残るだけでした。


これを見た創造神は、
この数え切れない塵を集めて
新たな世界を創り出しました。


新たな世界には様々な種族が存在し、

ある時に共に助け合い、

ある時は争い傷つけ合い、

世界に繁栄と衰退を繰り返しもたらしていました。


そして今。

この世界に溢れる万物の源
『マナ』の恩恵の元、

あらゆる『魔術』と、

『魔科学』により生み出された
『魔導器(ﾌﾞﾗｽﾃｨｱ)』の普及により、

この世界は大きな富を得ていました。


しかしその富が、
争いの原因にもなってしまいました。

各地では種族と種族が
富を求め、互いに刃を振るい、多くの魂が
日々失われていました。

そう。 ここが
夢幻世界『ネコロジア』

私たちの暮らす世界－。」


　少女は一旦すぅっ　と息を吸い、
　再び口を動かす。


「その世界のとある地方。
西の大陸『レフティア』と
東の大陸『ウィトイーラ』の
二つの大陸からなる
『ウィティア』は、
帝国とギルドの二大勢力により
かろうじて平和のバランスを保っていました。


しかし･･･このウィティアで、
世界を揺るがすほどの出来事が起こるとは、
この時、私たちはまだ知らなかったのでした－。」


少女は本をそっと閉じた。

本からホコリがふわっと吹き出す。


そして彼女は手前にあった木製の机に古びた本を置いて
どこかに行ってしまった。


物語の歯車が回り始める。

くるくると。

あなたの心の奥の奥。

あなたの幻想の中で－。

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プロト版　ＵＰ　2010/01/30
補正　2010/04/01

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